賃貸物件の原状回復工事において、「壁紙はとりあえず白の量産品で」と指示を出していませんか。確かに白は清潔感があり、最も安価で手に入りやすい選択肢です。しかし、数多くの物件を見ている入居希望者、特に20代や30代の若年層にとって、真っ白なだけの部屋は「ありきたりで印象に残らない部屋」として記憶から消えてしまっている可能性があります。
空室対策の現場で私たちが痛感するのは、今の入居者が求めているのは単なる「新しさ」だけではないということです。InstagramやPinterestで理想の暮らしを見慣れた彼らは、部屋にも「自分らしさ」や「落ち着き」を求めています。競合ひしめく賃貸市場において、家賃競争に巻き込まれずに入居者を獲得するためには、内装デザインによる差別化が不可欠です。そこで今、最も注目されているのが「グレージュ」という色味です。
この記事では、なぜ今「無難な白」だけでは決まりにくくなっているのか、そして低コストで部屋の価値を劇的に高める「グレージュ系クロス」の活用法について、現場のプロの視点から解説します。
【目次】
- そもそも「グレージュ」とは? 白クロスとの決定的な違い
- 失敗しない! 賃貸物件でのグレージュ導入テクニック
- 家賃UPも狙える? デザインクロスの投資対効果
- 株式会社甲商ライフが提案する「決まる」部屋作り
- 現地調査で「選ばれる物件」への第一歩を
■ そもそも「グレージュ」とは? 白クロスとの決定的な違い

「グレージュ」とは、その名の通り「グレー(灰色)」と「ベージュ」を混ぜ合わせたような中間色のことを指します。ファッション業界やインテリア業界ではすでに定番となっていますが、賃貸物件の内装においても、その万能さが改めて評価されています。
白クロスと比較した際の最大の違いは、「空間の質感」と「家具との親和性」です。真っ白なクロスは清潔感がある一方で、蛍光灯の光を強く反射し、どこか事務的で冷たい印象を与えてしまうことがあります。また、白すぎる壁は、入居者が持ち込む家具やカーテンの色によっては浮いてしまい、部屋全体のコーディネートが難しくなるケースも少なくありません。
一方でグレージュは、ベージュの持つ温かみとグレーの持つ洗練された雰囲気を兼ね備えています。これにより、木目調のナチュラルな家具から、アイアンやスチールを使ったインダストリアルな家具まで、どんなテイストにも馴染みやすいという特徴があります。入居者が「自分の家具を置いたときのおしゃれな生活」をイメージしやすいのです。
また、管理会社やオーナー様にとって見逃せないメリットとして、「汚れや傷が目立ちにくい」という点があります。真っ白なクロスは、少しの擦れ汚れや画鋲の跡でも目立ってしまいますが、ニュアンスのあるグレージュであれば、多少の生活汚れは壁紙の色味に馴染んで目立ちにくくなります。これは退去時のトラブル軽減や、クロスの張り替えサイクルの長期化にも貢献する隠れたメリットと言えるでしょう。
■ 失敗しない! 賃貸物件でのグレージュ導入テクニック

いくらグレージュが人気だからといって、何も考えずに部屋全体に貼れば良いというわけではありません。特に日当たりの悪い部屋や狭いワンルームで色の濃いクロスを全面に使ってしまうと、部屋全体が暗く、圧迫感のある印象になってしまうリスクがあります。
失敗しないための鉄則は、「明度(明るさ)」と「比率」のコントロールです。
まず、部屋全体(ベース)に使用する場合は、白に近い「ライトグレージュ」や「オフホワイトに近いグレー」を選ぶのが正解です。パッと見は白に見えるけれど、よく見ると落ち着きがある程度の色味であれば、部屋の明るさを損なわずに高級感を演出できます。
次に、より濃い色味を使いたい場合は、「アクセントクロス」として一面だけに限定することをおすすめします。例えば、テレビを置く背面やベッドヘッド側の壁一面だけに、少しトーンを落とした落ち着いたグレージュを取り入れるのです。これだけで部屋に奥行きが生まれ、内見時の視線を集めるフォーカルポイント(見せ場)を作ることができます。
また、巾木(床と壁の境目の部材)の色との組み合わせも重要です。最近のトレンドでは、巾木を白にすることで、壁面のグレージュ色を際立たせ、空間をすっきりと見せる手法が好まれています。逆に、巾木が焦げ茶色などの濃い色の場合、壁紙とのコントラストが強くなりすぎて、少し古い印象を与えてしまうこともあるため注意が必要です。
■ 家賃UPも狙える? デザインクロスの投資対効果

「おしゃれなクロスを使いたいけれど、費用が高くなるのが心配」というオーナー様の声をよく耳にします。しかし、実際の工事費用の差額をご存じでしょうか。
一般的な賃貸物件で使われる「量産品クロス(スタンダードクロス)」と、デザイン性の高い「1000番台クロス(ハイグレードクロス)」の材料費の差額は、1メートルあたり数百円程度です。部屋の壁4面すべてをハイグレードにするのではなく、先ほどお伝えしたようにアクセントクロスとして壁一面(約10メートル程度)だけに使用する場合、工事費全体の差額は数千円〜1万円程度に収まることがほとんどです。
このわずかな初期投資で、部屋の印象は劇的に変わります。
例えば、近隣の競合物件が家賃を3,000円下げて入居者募集をしている中、あなたの物件は家賃を下げずに、あるいは相場より少し高くても「この部屋はおしゃれだから」という理由で選ばれる可能性があります。
仮に家賃を3,000円下げた場合、年間で36,000円の減収になります。一方で、アクセントクロスの導入コストは一度きりです。また、入居が決まらずに広告料(AD)を追加で支払うコストと比較しても、内装による差別化は非常にコストパフォーマンスの高い「投資」だと言えます。単なる修繕費としてではなく、収益を生むための戦略的な投資として捉えることが、満室経営への近道です。
■ 株式会社甲商ライフが提案する「決まる」部屋作り

私たち株式会社甲商ライフは、埼玉県川口市および東京都内を中心に、原状回復工事やリノベーションを手掛けています。私たちの強みは、単に汚れた壁紙を張り替えるだけの工事店ではないということです。
「建設業をサービス業として捉える」という理念のもと、常に賃貸市場のトレンドや入居者ニーズを研究しています。今回ご紹介した「グレージュ」の活用についても、物件のエリア特性やターゲット層(単身女性向け、学生向けなど)に合わせて、最適な色味や素材をご提案いたします。
また、私たちは自社施工を中心とした体制を整えており、中間マージンをカットした適正価格での施工が可能です。さらに、退去立ち会いから見積もり作成、施工までをスピーディに行うことで、機会損失となる「空室期間」を最小限に抑えます。「とりあえず白で」という指示書だけの発注ではなく、「どうすれば決まる部屋になるか」を一緒に考えさせていただくパートナーとして、ぜひ私たちをご活用ください。
■ 現地調査で「選ばれる物件」への第一歩を
賃貸経営を取り巻く環境は年々厳しさを増していますが、少しの工夫と戦略で、物件の価値は十分に取り戻すことができます。「無難な白クロス」から卒業し、20代・30代の心を掴む「グレージュ」を取り入れることは、その有効な第一歩です。
「うちの物件にはどんな色が合うだろうか?」「予算内でどこまでできるか知りたい」とお考えのオーナー様、管理会社様は、まずはお気軽に現地調査をご依頼ください。現地の採光や床の色、既存の設備を確認した上で、プロの視点からベストな内装プランをご提案させていただきます。
皆様からのお問い合わせを、心よりお待ちしております。

